Raspberry Pi OS Desktop版はモニターやキーボードをつないでパソコンのようにGUIが使えます。 が、実はこれらを繋がずとも、電源だけつなげば、WiFi越しに画面を転送して使えます。
以前の記事で、Raspberry Pi OS Lite版のHeadlessセットアップ方法を紹介しています。
途中までは全く同じ手順です。画面を転送する部分だけ異なりますので、その部分を中心に紹介します。
インストール~初期セットアップ
まずはマイクロSDカードへRaspberry Pi OS Desktop版をインストールしましょう。 こちらの記事を参照ください。
このマイクロSDカードをRaspberry Piに挿す前に、Windowsマシンで
- wpa_supplicant.conf - WiFi接続先情報
- ssh - SSHサーバー有効化
という2つのファイルを所定の内容で作成します。 詳しくはページの最初に挙げたLite版の説明を参照してください。全く同じ手順でOKです。
起動
Raspberry Pi電源ON!
取り外したマイクロSDカードをRaspberry Piに挿して、いよいよ電源ON! しばらく緑のLEDが点滅(SDカードを読み込んでいる)します。落ち着いてきたら、SSH接続しましょう。
SSH接続
PuttyやTeraTermなどのソフトウェアで、SSH接続しましょう。
ホスト名はraspberrypi.local
、初期ユーザー名はpi
、パスワードはraspberry
です。
繋がらない場合のガイドは前のLite版の記事を参照してください。
VNCの有効化
一番簡単に画面の転送を行うには、raspi-config
コマンドでVNCを有効にすることです。
VNCは昔からあるリモートデスクトップソフトの一種で、現在は複数の亜種があります。
Raspberry PiにはRealVNCが標準で入っています。
$ sudo raspi-config
で、raspi-configを起動します。
5 Interfacing Optionsを選択します。
P3 VNCを選択します。
VNC Serverを有効にするか聞かれますので、Yesを選択しましょう。 実は、Raspberry Pi 4の場合、これだけではVNC接続できませんのでもう1ステップ進みましょう。
HDMIケーブルが刺さっていないと、モニタがないと認識してGUIを起動しないようになっています。 ディスプレイの解像度を設定すると、モニタの有無にかかわらずGUIが起動しますので、設定しましょう。
7 Advanced Optionsを選びます。
A5 Resolutionを選びます。
お好きな解像度を選んでください。私は1920x1080を選びました。
これで再起動すると、VNCが有効になります。
Windowsマシンから接続
VNC Viewerダウンロード
接続にはRealVNCのVNC Viewerが必要なので、ダウンロードします。
Windows版のほか、Chrome上で動くものもあります。お好きなものをダウンロードしてください。 私はChrome版にしました。
接続
起動すると、接続先と画像の品質を聞かれます。
接続先はraspberrypi.local
、品質はAutomatic
にしました。
品質を上げると転送量も増えますが、家の中のローカルなら問題ないでしょう。
このSignatureのマシンに接続するがよいか?という確認画面が出ます。 まあ家の中なら、誰かがフィッシング用マシンを用意して待ち構えていることもないでしょうから、OKを押して進みます。
ユーザ名とパスワードを聞かれます。SSHでログインするものと同じで大丈夫です。
初期設定はユーザ名pi
、パスワードはraspberry
です。
うまくいくと、このようにWindowsパソコン上にRaspberry Piの画面があらわれます。 Windowsパソコンのマウスとキーボードで操作できるので、Raspberry Piにつなぎ変えなくてよいので便利です。
解像度変更
私の場合、解像度がかなり低く表示されました。raspi-config
で設定した解像度になるわけではないようです。
広々した画面が使いたいので、解像度を変更してみました。
メニューからPreferences→Screen Configurationを選びます。
Configure→Screens→HDMI-1→Resolutionで好きな解像度を選びます。 私は1920x1080を選びました。
Configure→Applyで実際に変更が適用されます。