Raspberry Piにもラインナップがいろいろあるのですが、今回はその中でも小さくて安い!Raspberry Pi Zero WHを使ってみましょう。
Raspberry Pi Zero WHとは?
もともとRaspberry Piシリーズはコンピュータを学ぶ学生さんや子供たちに、安くて使いやすいコンピュータを提供するために始まったプロジェクトです。
その取り組みの一環で、機能をそぎ落として、子供のお小遣いでも買いやすい5ドル*1のコンピュータとしてRaspberry Pi Zeroが誕生しました。Raspberry Pi のラインナップの中でも最安です。しかし、これでは利益が出ないためか?、1人1個までの購入制限がついています。
このRaspberry Pi Zeroに無線機能を追加したり、ピンヘッダを実装したりして、購入制限のないバージョンがRaspberry Pi Zero WHです。 日本では税込み1,848円で入手できます。さすがに少し高くなっていますが、それでも2000円を切る価格は魅力ですね。
ほかのRaspberry Piと比べてみよう
Raspberry Pi 4Bや3B+といった売れ筋のRaspberry Piとスペック的に比べてみると、上の表のようになります。
CPUはシングルコアで、ARM11という旧世代のものが使われています。また、メモリも512MBしかないので、CPUやメモリを使う処理には向きません。 とはいえ、これでもLinux上でPythonのちょっとしたプログラムを動かすくらいなら十分です。
5GHz帯は非対応ですがWiFiもついており、Bluetoothも内蔵です。IoT機器を作るのにも便利そうですね。
サイズは他に比べてだいぶ小さいです。上部の40ピンヘッダはどれも共通ですが、Raspberry Pi Zero WHはそのピンヘッダの横幅がほぼそのまま基板サイズになっています。 価格的にも他に比べて半額くらいと安くなっています。あと、いま調べるとRaspberry Pi 3B+より4Bのほうが若干安くなっていました。
Raspberry Pi Zero WHを見てみよう
こちらがRaspberry Pi Zero WHです。本体は基板だけなのですが、別売りのケースに入れて、起動用のマイクロSDカードも挿入しました。
他のRaspberry Piシリーズと同様、40ピンのピンヘッダが出ています。ピン配置も同じなので、Raspberry Pi用の周辺機器がそのまま使えますね。CSIカメラインターフェースもついているので、Raspberry Piカメラも使えます。
また、USBから電源を取るのも同じです。シングルコアなだけあって、消費電力は他シリーズより少ないです。
USB OTGポート
他と違う点としては、USB OTGポートがついています。 他のRaspberry Piはパソコンと同じUSBポートで、ホスト機能のみ使えます。要は、マウスやWebカメラなどのUSB周辺機器をつなぐためのポートです。
このOTGポートはそのようにも使えるのですが、周辺機器としても動作できます。つまり、Raspberry Pi Zero WHを周辺機器としてパソコンにつなぐ、という使い方ができます。ネットで検索すると、Raspberry Pi Zero WHをUSBキーボード化したり、USBカメラ化したりといろいろ遊べるようです。 私もそのうち試してみようと思います。
なお、他のRaspberry Piと同じようにホスト機能でマウスやWebカメラなど周辺機器をつなぐには、別売りのUSB OTGケーブルが必要です。
OTG機能はRaspberry Pi 3B+などでは利用できませんが、Raspberry Pi 4のUSB-Cポートがこのモードに対応しています(背面のUSB-Aはホスト機能専用)。
使いかた
使い方は他のRaspberry Piとさほど変わるわけではありません。公式OSのRaspberry Pi OSがそのまま使えます。
以前記事にしたセットアップ方法でWiFi経由で簡単にログインできます。
apt-get
なども普通に使えますし、Pythonなども動きます。こんなに小さいのに素晴らしいですね。
ただ、Raspberry Pi 3B+や4Bと比べると圧倒的に遅いです。セットアップにも起動にも何をするにも時間がかかります。気長に待ちましょう。
センサー値を読んでネットに上げるなど、ちょっとした処理にはむしろこのくらいが必要十分とも言えますね。
*1:日本では税込み660円で売られています