みかんのゆるふわ技術ブログ

Raspberry PiやIoT関係のことを書き残していきます

Raspberry Piの品薄はいつ解消するのかな?

最近Raspberry Piを買おうと思ってもどこにも売っていない😡!と思いますよね。

まあ私はコロナ前からちょこちょこと買い足して、個人で4台もRaspberry Piを持っているので困らないわけですが、どのお店にも在庫がないのでこれから始めようとする方には厳しい状況です。

この状況について、去年2021年10月にラズベリーパイ財団の創設者エベン・アプトン(Eben Upton)さんから詳しい説明の記事が出まして、さらに今年2022年4月4日にも最新状況のアップデートがありました。

短い結論としては、エベン・アプトンさんもはっきりとした見通しは立たないものの、2023年中には在庫状況の正常化を期待したいという感じです。

単なるまとめ記事で恐縮ですが、上記2つの記事をざっくり要約してみましたので参考にしてください。詳しくはもとの記事を参照してくださいね。

2022/9/8追記 別の記事Raspberry Pi Zero WHの代わりにピッタリな?NanoPi NEOというLinuxボードの紹介記事も書きましたので、趣味で似たような基板をお探しの方は参考にしてください!

去年10月時点の品薄の状況

去年の10月時点でのエベン・アプトンさんの記事では次のような説明がありました。

www.raspberrypi.com

  • 供給: 2021年の全世界の出荷は2020年と同等の700万台を確保できる見込み
  • 需要: 需要が急激に伸びており、半導体不足もあって需要を満たすだけの増産はできていない
  • その結果、需給バランスが崩れて市場で在庫不足が起きている
    • Raspberry Pi ZeroとRaspberry Pi 4 (2GB)が特に在庫不足が顕著
  • 製造コストも上がっているため、一時的にRaspberry Pi 4 (2GB)を値上げ、その他の製品は価格維持

今後の見通しとしては、

  • 2022年の遅くまで品薄が継続する見込み
  • 今後は40nmプロセスのSoCを搭載した製品(Raspberry Pi Zero/2/3など、4系以外)の需給ギャップがより厳しくなる見込み
    • 40nmプロセスのSoCの在庫はRaspberry Pi Compute Module 3/3+およびRaspberry Pi 3を最優先に回し、Raspberry Pi 3B+の製造は優先度を下げる
    • Raspberry Pi 3B+のユーザーは4系への移行を推奨
  • 28nmプロセスのSoCを搭載した製品(Raspberry Pi 4系)は今後12ヶ月かけて需給ギャップが徐々に緩和されていく見込み

ということです。

日本でも2021年はRaspberry Piがなかなか手に入らなかったですよね。通販サイトで入荷してもすぐに売り切れたりしていました。

私は2021年にも運良く?Raspberry Pi 4を1台買えましたが、通販サイトを見に行っても在庫なしの時期がほとんどでした。

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今年4月4日のアップデート

2022年になりましたが、今も全然在庫がないなあ…😔

と、思っていたところ、先日エベン・アプトンさんから状況のアップデートがありました。

www.raspberrypi.com

現在の需給バランスについて、記事では次のように説明されています。

  • 世界的な部品不足の中なんとか部品を確保し、毎月約50万台の製造を継続している
  • 2021年からRaspberry Piの需要が急増し、半導体不足の中、それに見合う増産はできていないため、ほぼ全ての製品で受注残が積み上がっている
  • 正規販売代理店もかなりの受注残をかかえていて、ラズベリーパイ財団から納品された製品をそちらに充てているため、Webサイトで個人が買えるRaspberry Piが少なくなっている

この状況で、ラズベリーパイ財団は商用向けを優先的に出荷し、 個人のホビーユースや、小ロットでのプロトタイピング向けの優先度を下げる対応をしているそうです。

この対応で、商用で大量に使うお客さんに対しては十分な供給体制が整ったとのこと。

その一方で、個人が勉強のために1個買うようなケースでは、かなり待たされそうですね😣

もともと教育用に、学生でも手軽に買えるコンピューターとして始まったRaspberry Piですが、個人で買いにくい状況になっているのは残念です。そのくらいあちこちでRaspberry Piが産業やビジネスで使われるようになっているんですね!

50万台/月のうちどのくらいが商用用途向けに優先出荷されているのか記事では書かれていませんが、受注残が積み上がっているということですから、個人や小ロット向けに十分な量が回ってくるのはだいぶ先になるのかもしれません。

ちなみに、上記エベン・アプトンさんの記事のコメント欄に、この状況が改善されるのはいつ頃になりそうですか?と質問された方がいましたが、それに対して、

I’ve made a fool of myself in the past attempting to forecast the end of this one. Mike Buffham, our chief commercial officer, has been working in the electronics industry for the best part of forty years, and says this is the worst he’s ever seen. It may well be that this is the worst supply-chain dislocation ever, all the way back to the invention of the transistor! My hunch, for what it’s worth: we’re already seeing some softening here and there, and I expect a substantial return to normality in 2023.

と、ここまでの電子機器サプライチェーンの混乱はトランジスタの発明以来初ではないかとして、これまで何とか見通しを立てようとしていたのがバカだったというようなことをおっしゃっています。ただ、いくらか緩和の兆しも見えるので、2023年には正常化すると期待しているとのことです。

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Raspberry Piがどうしても欲しい場合

記事の中ではRaspberry Piが定価よりかなり高く転売されているケースがあるとして、正規販売代理店からの購入が呼びかけられています。 高値で転売されているケースは日本でも見かけますよね😅

そこで、世界中の正規代理店のRaspberry Piの在庫状況が一覧でチェックできる、rpilocatorというものが紹介されていました✨

rpilocator.com

世界各地の正規代理店の在庫状況がチェックできます。残念ながら日本の正規代理店は入っていないようですが、海外からでもとにかく買いたい!という方はここをチェックすると在庫のあるお店が見つかるかもしれません。

ちなみに記事執筆現在、Raspberry Pi 4 (8GB)がイギリスの1店舗、Raspberry Pi 4 (2GB)がオーストリアの1店舗で在庫ありになっていましたが、それ以外の品種は全世界で在庫なしでした。(他に5店舗は24時間以内に在庫があったものの売り切れたようです) 世界規模で取り合いになっていますね😅

というわけで、品薄はしばらく続きそうです。

追記(2022/9/8)

いまだに品薄が続くRaspberry Piですが、Raspberry Pi Zero WHの代わりに使えるかもしれないNanoPi NEOという基板を買って使ってみました。

HDMIがなく画面が繋げないのがデメリットですが、サーバー的に使ったりセンサーとかを繋いで遊ぶ分には全く問題なく、電子工作やLinuxの勉強にピッタリです。

Raspberry Piが待てない😡!!という方は、よかったら以下の記事も参考にしてみてください。

www.mikan-tech.net